三十一番・末吉
(漢詩)
鯤鯨未変時 且守碧潭淇 風雲興巨浪 一息過天池
(訳)
鯤鯨(こんげい)未だ変ぜざるの時 且(しばら)く碧潭(へきたん)の淇(ふち)を守れ 風雲、巨浪を興さば 一息天池を過ぎん
(大意)
北の涯(はて)に棲むというあの大魚・鯤もまだ大鵬という巨鳥に変身していない。(鯤鯨は「荘子」にでてくる想像上の巨大な魚)/時の来るまでは、しばらく深い水の淵に身を潜めて、おとなしく力をためておれ。/ひとたび時を得て、風雲が巻き起こったならば、/その時は一気に、天の涯まで飛んでいくことが出来よう。
(みくじの解)
はじめは思うことが叶い難いが、心静かに時節を待てば、のち大いに良し。
「中村公一 『一番大吉!おみくじのフォークロア』大修館書店より」