三十二番・末吉
(漢詩)
似玉蔵深石 休将故眼看 一朝良匠別 方見宝光寒
(訳)
玉の深石に蔵(かく)るるに似たり/故眼(こがん)を将(も)って看るを休めよ/一朝、良匠別ち/方(まさ)に宝光の寒きを見ん
(大意)
宝玉が原石の奥深くに、隠れているようなものである。/凡庸な眼で眺めるのをやめよ。/ところが玉作りの名工であれば、一目で宝玉が隠れていることを見抜いて、/冴え冴えとひかりかがやくほうせきを磨き出すであろう。
(みくじの解)
はじめは人に進化が評価されず不遇な時を過ごすが、ひとたび己を知る者を得たのちは、この玉のように素晴らしい輝きを発揮するであろう。
「中村公一 『一番大吉!おみくじのフォークロア』大修館書店より」