六十八番・吉
(漢詩)
異夢生英傑 前来事可疑 芳菲春日暖 依旧発残枝
(訳)
異夢、英傑を生じ/前来、事疑う可(べ)し/芳菲、春日暖かなり/旧に依りて残枝に発(ひら)く
(大意)
霊夢を見て英雄を生んだという伝説のように、思いがけない幸運が向いてきそうだと喜んでいたが、/ところが幸運はいっこうにやってこず、あの夢はなんだったのかと疑う心が生じてきた。/しかし春になれば、馥郁(ふくいく)とした香りとともに、/元通り冬枯れの枝にも咲くようになるのだから(何も不審に思わずとも好い)。
(みくじの解)
今までの不運も去って、これから吉運に向かうであろう。
「中村公一 『一番大吉!おみくじのフォークロア』大修館書店より」