八十四番・凶
(漢詩)
否極方無泰 花開値晩秋 人情不調備 財宝鬼来偸
(訳)
否極まりて方に泰無し/花開いて晩秋に値(あ)う/人情調備せず/財宝、鬼来りて偸む
(大意)
ものごとの閉塞(へいそく)する否が極まって、安泰の泰に変るかと思っていたら、案に相違してまだ泰にはならない。/それはちょうど、春の花が開きかけてきたのに、霜枯れの晩秋の季節に逢ってしまったようなものだ。/一家の人情も和合せず、/家の財宝も、魔物によってかすめ盗られてしまう。
(みくじの解)
苦境がなかなか去らず、人心の不和が生じやすい。あせらずに、泰に変わる時節を待つべし。
「中村公一 『一番大吉!おみくじのフォークロア』大修館書店より」