吉むすび
元三大師みくじ解釈 

九十番・吉                          

(漢詩)

一信向天飛 秦川舟自帰 前途成好事 応得貴人推

 

(訳) 

一信天に向かって飛び/秦川(しんせん)、舟自(おの)ずから帰る/前途、好事を成す/応(まさ)に貴人の推(すい)を得(う)べし

 (大意)                                                        

願いを込めた一通の書信が天に向かって飛んでゆくと、「秦川(陜西)の舟には蜀の綿を積む」という諺の通り天の幸を得て錦(財宝)を積んだ船が帰ってきた。/このようにして将来の運も開け、/目上の引き立ても受けて、ますます幸運に恵まれるであろう。

 (みくじの解)      

貴人の引き立てによって、おおいなる幸運を得る兆。宋版天竺霊籤は「吉信」としるした巻物が、天に向かって飛んでゆくところをあらわし、「官員がこの籤を得れば、高い地位に登り、商人ならもうけが倍増する」とある。

 

「中村公一 『一番大吉!おみくじのフォークロア』大修館書店より」